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ウズベキスタン政府と連携し、起業家教育を提供 山形大学が人材育成を通じ国際貢献

山形大学アントレプレナーシップ教育研究センターでは、2024年よりウズベキスタン共和国を対象とした起業家教育プログラム「U-HOPE」の提供を開始しました。

急速な人口増加と若年層の雇用課題に直面する同国において、教育を通じて持続的な雇用と地域産業の発展に寄与する本取り組みは、国際社会と地域大学の連携による新たな価値創出として注目を集めています。

本記事では、アントレプレナーシップ教育研究センターの「U-HOPE」プログラム、2024年度の実施と今後の展望についてご紹介します。

ウズベキスタンの雇用課題と国家戦略

ウズベキスタンでは、毎年約100万人が人口増加し、約80万人の若者が新たに労働市場へ参入しています。しかし、雇用機会の創出が追いついておらず、失業率は8.9%(日本は2.6%、2022年IMF統計)と高水準で推移しています。

こうした状況を受けて、同国政府は中小零細企業の成長と起業を通じた雇用創出を重点政策に掲げ、GDPの約54%、労働人口の78%を占める中小企業支援に注力しています。

さらに、政策の効果を上げるために、教育を通じて質の高い経営者を輩出することが国策として決定され、大統領令が発出されています。

連携体制と協定の進展

  • 2024年1月10日:政府系銀行ウズベキスタンビジネス開発銀行(BDB)とプログラム提供についてLOI(基本合意書)を調印
ウズベキスタン・日本 ビジネスフォーラムでのお披露目 (2024年1月10日)
  • 2024年3月7日:起業家育成プログラム提供に関する事業委託契約をBDBと締結

  • 2024年8月10日:地域ビジネスの創出と起業家の育成を通じた課題解決に資するプロジェクト「Uzbekistan yori-i project」において、6機関でのMOUを締結(締結機関:BDB, ウズベキスタン タシケント州, 国際協力機構(JICA), Uzbekistan-Japan Center (UJC), 山形県, 山形大学アントレプレナーシップ教育研究センター)
6機関で実施協力に向けたMOUを締結 (2024年8月10日)

2024年度「U-HOPE」プログラムの実績

ビジネス開発銀行(BDB)との事業委託契約に基づき、2024年はウズベキスタン向けの起業家育成プログラム「U-HOPE」として、ウズベキスタンの4都市を市場調査、プロモーション活動を実施。教育事業として、以下の3つのプログラムを中心に展開されました。

Program 1:中小企業経営者向けオンデマンド講義

中小企業経営者を対象に、基礎的な経営知識と日本の地方における成功事例を17本の動画にまとめ、BDBのWebポータル上で提供。
受講者数は17,393名、修了者数は5,967名に達しました。

Program 2:メンター育成研修

将来の起業支援者となるアントレプレナー24名を選抜。マインドセット・スキルセットの講義を行い、日本人講師からのメンタリングを実施。最終発表(WS2)は山形県で実施され、企業視察も行われました。

Program 3:BDB幹部向け研修(日本実施)

BDBの各部署から管理職26名、加えて経済財務省から1名が、日本(山形県)にて研修を受講。リーダーシップ、リーンマネジメント、中小企業支援の仕組みについての講義と現地企業の視察を行いました。

2025年度の展望:カラカルパクスタンへの展開

2025年度には、ウズベキスタン西部のカラカルパクスタン自治共和国において、新たな起業家教育プログラムが実施されます。

この取り組みは、ウズベキスタン共和国大統領令(PF-10号第27.2項)にも明記されており、国家戦略として位置づけられています。

  • カラカルパクスタンの若手起業家 50名に対してソーシャルイノベーションを基盤にした起業家教育を実施し、事業化を推進する。
  • BDBの社員 30名に対する起業家教育をカラカルパクスタンの若手起業家 50名と同時に実施する。

合計80名への起業家教育を実施予定。

最後に

山形大学アントレプレナーシップ教育研究センターは、地域に根ざした実践知をもとに、国際社会が直面する課題にも教育を通じて挑戦し続けています。

今後も、グローバルな人材育成と地域発の国際貢献を両立させる取り組みを推進し、起業家精神の醸成と持続可能な社会の実現に貢献してまいります。