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人は「何を」ではなく、「なぜ」で動く。コミュニケーションにおいて重要なエッセンスとは | 山形大学 i-HOPE | 2023年8月講義レポート

2023年5月、「山形大学人材育成プログラム「i-HOPE 」2023 新事業創出イノベーションプログラム」が始まりました。

本プログラムの目的は
「起業家が歩むプロセスを一通り経験し、イノベーションマインドを身につける」

新事業創出に必要な起業家精神と知識・スキルを学ぶことができる、山形大学とコロンビアビジネススクール公式プログラムVenture for ALLⓇが連携したプログラムです。

昨年開催した様子はこちらをご覧ください。
目指すはスタートアップ企業の創出!山形大学で学ぶアントレプレナーシップ教育 | 山形大学 i-HOPE | 2022年5-10月講義レポート

期間は2023年5月から12月の約8か月間、隔週土曜日開催で講義日は全17回。

8月の講義は
第7回目(8月5日)
「7-1:ビジネス・スピリングボード③ 「事業を構築する」」
「7-2:Idea, Passion, Start with WHY」
「7-3:チーム・ワーク⑤(課題の深堀、顧客ニーズ分析、アイディア再検証)」

第8回目(8月26日)
「8-1:グローバル・リーダーシップ」
「8-2:人を動かすプレゼンテーション」
「8-3:チーム・ワーク⑥(課題解決の検証、中間発表に向けた準備)」

第7回目の講義では、ビジネススプリングボードを用いて「事業構築」におけるフレームワークと、「コミュニケーション」において重要なポイントについて学びました。
第8回目の講義では、これからの時代に大切な「リーダーの要素」と「プレゼンテーション」のテクニックについて教えて頂きました。

本記事では、i-HOPE 新事業創出イノベーションプログラムの8月の講義内容についての紹介を行います。こちらの記事は主に下記のような人向けの記事です。

  • 「i-HOPE 新事業創出イノベーションプログラム」の講義内容に興味のある人
  • 「アントレプレナーシップ教育」に興味のある人
  •  新規事業に携わる方、現業で新たな発想を求められる方
  • 「スタートアップ」に興味のある人
  • 「起業」に興味のある人

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目次
1. 講義(2023年8月5日)
 ・「7-1:ビジネス・スピリングボード③ 「事業を構築する」」
 ・「7-2:Idea, Passion, Start with WHY」
 ・「7-3:チーム・ワーク⑤(課題の深堀、顧客ニーズ分析、アイディア再検証)」
 ・受講生の声
2. 講義(2023年8月26日)
 ・「8-1:グローバル・リーダーシップ」
 ・「8-2:人を動かすプレゼンテーション」
3. 9月の講義予定
4. まとめ
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1. 講義(2023年8月8日)

・「7-1:ビジネス・スピリングボード③ 「事業を構築する」

講師:廣川 克也(ひろかわ かつや)氏


チャネルデリバリー

廣川氏「商品の価値をどのようにお客さんに届けるのか。お客さんの視点で考えることが大切です。」

ビジネス・スプリングボードの第三回目の講義として、既存事業の収益モデルを解説することに加え、履修者のアイディアが現実的な事業計画となるよう検討を行いました。

成長を軌道に乗せる

廣川氏「成長を軌道に乗せるためには、何が必要で、それに対してどれくらいの対価が必要なのかを検討しておくことが重要です。」

今回の講義で、ビジネス・スプリングボードの説明は終了です。これから、各チームでビジネスプランの策定に取りくんでいきます。

・「7-2:Idea, Passion, Start with WHY」

山形大学アントレプレナーシップ教育研究センター招聘講師
㈱Just on time 代表取締役社長
㈱next is east 代表取締役社長
講師:Manjot S. Bedi(マンジョット・ベディ)氏 

インド・ニューデリー生まれ。外交官の父の仕事で2 歳より世界各地を巡り、17 歳で来日。
1997年広告会社㈱ティー・ワイ・オー入社。クリエイティブ・ディレクターとして数々のCM を制作。
2006年同社クリエイティブチーム1stAvenue の代表としてトヨタ自動車をはじめ日本企業の新興国戦略に携わる。
2013年「伊勢神宮・式年遷宮」 広報本部の活動を担う。
2015年3月から「認知症カフェ」の第1 号店“asacafé をトータルプロデュース。
2017年㈱Just on time 設立。CEO として将来を見据え、日本を拠点に世界中のクリエイターとコラボレーションにより新しいクリエイティブ・ブティックのあり方を提唱・実践し、業界に新たな潮流を吹き込む。
2019年5月 ㈱next is eastを山形大学有機材料システム事業創出センター内に設立。山形大学の事業創出に向けた活動と連携し、ブランディングによる地域及び地域企業の活性化を支援します。


コミュニケーションにおいて大切な5つのこと

マンジョット氏「コミュニケーションは、何を伝えるか、どう伝えるかの2つだけなのです。今回コミュニケーションに対して大切な5つのポイントをお話しします。」

マンジョット氏がこれまでコミュニケーションにおいて大事にしてきた5つのポイントを具体的な経験談を交え、分かりやすく、そして熱く語っていただきました。

人は「何を」ではなく、「なぜ」で動く

マンジョット氏「人は『What(モノ・コト)』ではなく、『Why(理由・ストーリー)』に、共感・感動し動かされます。皆さんの「Why」は何ですか?」

本講義では、日本・アジア・アフリカまで様々なコミュニケーションを設計してきた経験、実践的な知見を実例に、講義とワークショップを通して伝えて頂きました。

ワークショップの様子

・「7-3:チーム・ワーク⑤(課題の深堀、顧客ニーズ分析、アイディア再検証)

講師:菅生 達仁(すがおい たつひと)氏


7-3では、チームに分かれ、3町村の地域課題、資源をテーマにビジネスアイデアを検討しました。

・受講生の声

〇学生
講義を受けて、価値観や共感についての考え方を大切にしていく意識が高まりました。自分の考え方とすごく合っている部分が沢山あり、この考え方でいいんだなと思えて、自信を持つことができました。

2. 講義(2023年8月26日)

・「8-1:グローバル・リーダーシップ」

Forbes JAPAN 執行役員Web 編集長
講師:谷本 有香(たにもと  ゆか)氏

証券会社、Bloomberg TVで金融経済アンカー後、米MBA取得。日経CNBCキャスター、同社初女性コメンテーター。
オードリー・タン台湾デジタル担当大臣、トニー・ブレア元英首相、アップル共同創業者スティーブ・ウォズニアック等、4,000人を超えるVIPにインタビュー。
現在、J-WAVE「JAM THE PLANET」、TBS「坂上&指原のつぶれない店」のレギュラー経済コメンテーター他、MX「モーニングCROSS」、TBS「ビビット」コメンテーター他、TV出演多数。経済系シンポジウムのモデレーター、政府系スタートアップコンテストやオープンイノベーション大賞の審査員、ロイヤルハウジンググループ上席執行役員、WARPSPACE社外取締役、All Personal顧問等、企業役員としても活動。立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究所 研究員/アドバイザリーボードメンバー。
2016年2月よりForbes JAPANに参画。2022年1月1日より現職。


新しい「経済」のかたち

谷本氏「自分たちがなぜ存在しているのか。自分たちが社会、経済、未来に対してどう貢献していくのか。現代のリーダーは、これらの問いを考え続けることが求められています。」

これからの時代に大切なリーダーの要素

谷本氏「3000人超のトップリーダーへの取材を通じて見つけた成功者の共通項、それは「多様性受容・共感力・偏愛性・ビジョン共有力」でした」

この講義では、ビジネス、政治、教育、スポーツなど、数多くの各界のリーダーにインタビューされたご経験をお持ちの谷本氏より、世界のトップリーダーの振る舞いなどから、今求められるリーダーシップに関してお話をしていただきました。

・「8-2:人を動かすプレゼンテーション」

株式会社Kedama
Share Village Project 村長
講師:武田 昌大(たけだ  まさひろ)氏

1985年秋田県北秋田市生まれ。 2008 年立命館大学情報理工学部卒業。
秋田の農業の未来に危機感を持ち、若手米農家集団トラ男(トラクターに乗る男前たちの略称)を結成。
お米をつくる人と食べる人が共に支え合うコミュニティ「トラ男一家(ファミリー)」を立ち上げ、お米の定期購入サービスを運営している。
また2015 年、秋田県五城目町にある築133 年の茅葺古民家をリノベーションして会員制のゲストハウス「シェアビレッジ」をオープン。
2015年、グッドデザイン賞ベスト100 ・特別賞地域づくりデザイン賞受賞。
全国に残る古民家を村に変えることで都市と田舎を新たなつながりを拡大中。


プレゼンテーションは才能ではない。
テクニックを学べば誰でもできる。

武田氏「プレゼンは才能ではありません。テクニックを学べば誰でもできるようになります。今日は、僕なりのプレゼンの話をお伝えできればと考えています。」

人間だからこそできるオリジナリティ

武田氏「これからのAI社会で勝ち残るのはユーモアのある人材、オリジナリティに溢れた人材だと思います。AIのできることが増えてきた中で、人間だからこそできる独自性を我々起業家は磨いていく必要があります。」

本講義では、ほぼ毎日プレゼンを行ってきた講師から、効果的かつ印象に残るプレゼンテーションに必要なエッセンス、プレゼンに盛り込まれるべき項目やストーリーの構成について解説して頂きました。

3. 9月の講義スケジュール

9月の講義では、フィールドワークを実施した最上地区で、参加型の実践的な英会話向上トレーニング研修を実施します。また、後半の講義では、チーム毎のビジネスアイデアを発表する中間発表を行います。

9月2日, 3日

  • 9:グローバルコミュニケーション(英会話研修)@最上地区 講師:莉々 紀子氏、小野寺 忠司氏、菅生 達仁氏

9月9日

  • 10-1:VFAプログラム:マーケティング 講師:菅生 達仁氏
  • 10-2:オーセンティックリーダーシップ 講師:小野寺 忠司氏
  • 10-3:起業家講演 講師:株式会社フィラメント 創業者・CEO 角 勝氏、 NECパーソナルコンピュータ株式会社 商品企画本部本部長 森部 浩至氏

9月23日

  • 11-1:VFAプログラム:顧客インサイト 講師:菅生 達仁氏(相原 嘉子氏)
  • 11-2,3:チーム・ワーク⑦中間発表 講師:菅生 達仁氏、小野寺 忠司氏、廣川 克也氏、戸田 達昭氏

4.まとめ

本記事では、「山形大学人材育成プログラム「i-HOPE 」2023 新事業創出イノベーションプログラム」の第7回、第8回の講義内容をお伝えしました。

9月はいよいよ中間発表です。

どんな内容なのか、発表を見るのが楽しみですね。

みなさんの発表の成功を祈っています!