2023年5月、「山形大学人材育成プログラム「i-HOPE 」2023 新事業創出イノベーションプログラム」が始まりました。
本プログラムの目的は
「起業家が歩むプロセスを一通り経験し、イノベーションマインドを身につける」
新事業創出に必要な起業家精神と知識・スキルを学ぶことができる、山形大学とコロンビアビジネススクール公式プログラムVenture for ALLⓇが連携したプログラムです。
昨年開催した様子はこちらをご覧ください。
目指すはスタートアップ企業の創出!山形大学で学ぶアントレプレナーシップ教育 | 山形大学 i-HOPE | 2022年5-10月講義レポート
期間は2023年5月から12月の約8か月間、隔週土曜日開催で講義日は全17回。
9月の講義は
第9回目(9月2, 3日)
「9:グローバルコミュニケーション(英会話研修)@ホテルシェーネスハイム金山」
第10回目(9月9日)
「10-1:VFAプログラム:マーケティング」
「10-2:オーセンティックリーダーシップ」
「10-3:起業家講演」
第11回目(9月23日)
「11-1:VFAプログラム:競争優位」
「11-2, 3:チームワーク⑦中間発表」
第9回目の講義では、一泊二日の参加型の実践的な英会話向上トレーニング研修を実施しました。
第10回目の講義では、マーケティングの鍵となる要素や、リーダーシップの種類、共創・新規事業を成功に導く、コミュニケーションの極意とイノベーション人材などを学びました。
第11回目の講義では、各チームが最上地域でのフィールドワークで得た気づきをもとに様々なビジネスプランの発表を行いました。
本記事では、i-HOPE 新事業創出イノベーションプログラムの9月の講義内容についての紹介を行います。こちらの記事は主に下記のような人向けの記事です。
- 「i-HOPE 新事業創出イノベーションプログラム」の講義内容に興味のある人
- 「アントレプレナーシップ教育」に興味のある人
- 新規事業に携わる方、現業で新たな発想を求められる方
- 「スタートアップ」に興味のある人
- 「起業」に興味のある人
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目次
1. 講義(2023年9月2, 3日)
・「9:グローバルコミュニケーション(英会話研修)@ホテルシェーネスハイム金山」
2. 講義(2023年9月9日)
・「10-1:VFAプログラム:マーケティング」
・「10-2:オーセンティックリーダーシップ」
・「10-3:起業家講演」
3. 講義(2023年9月23日)
・「11-1:VFAプログラム:競争優位」
・「11-2, 3:チームワーク⑦中間発表」
4. 10月の講義予定
5. まとめ
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1. 講義(2023年9月2, 3日)
・「9:グローバルコミュニケーション(英会話研修)@ホテルシェーネスハイム金山」
本プログラムの教育目標であるグローバルリーダーを目指すにあたり、単に英会話の能力を向上させるのではなく、特に英語を聞く力、コミュニケーション力、自己表現力を向上させるため、参加型の実践的な英会話向上トレーニング研修を実施しました。
講師は、プロの通訳者 莉々紀子氏、ケニア出身のジャクリーン・モドニ・ボグワ氏、ロシア出身のヴァレンティナ・ポドリナイア氏、イタリア出身のガブリエレ・カミッレーリ氏(オンライン参加)、イギリス出身のジョナサン・ロスケル氏(オンライン参加)、菅生 達仁氏の6名です。
講義受講の他、自ら話すことを中心としたトレーニングで、合宿の最後には自分のテーマをPitch( プレゼン)します。加えて、合宿における日常会話も英語として、聞く力、話す力、コミュニケーション力を鍛えるトレーニングを実施しました。
今回は、2日目の様子を一部ご紹介いたします。
特別講師

株式会社リリーズ・トランサポート 代表
山形大学 アントレプレナーシップ教育研究センター招聘講師
早稲田大学 非常勤講師
電動モビリティシステム専門職大学 非常勤講師
講師:莉々 紀子(りり のりこ)氏
主にIT ・Fintech ・人工知能など、技術系の通訳を得意とする。
全国規模で通訳業務を行うほか、企業での英語トレーニング研修も積極的にこなしつつ、海外生活の経験なしにプロ通訳者になれるだけの英語力を身につけたトレーニング法を提供している。
Day2 Pitch Practice


Final Pitchに向けて、グループごとにピッチ練習を行いました。
Day2 Final Pitch
一人当たり持ち時間は3分間。その後、講師の方との質疑応答を行いました。



受講生は少しの緊張感を持ちながらも、和やかな雰囲気の中、行われました。
Day2 Wrap Up, Feedback, Closing
最後に、講師の皆さんより、フィードバックを頂きました。

長いようで短い一泊二日の英会話研修。
最後に撮影した集合写真では、受講生の皆さんが自信を持った明るい表情を見せてくれたのが印象的でした。

2. 講義(2023年9月9日)
・「10-1:VFAプログラム:マーケティング」
講師:菅生 達仁(すがおい たつひと)氏

マーケティングで鍵になる考え方
菅生氏「皆さんが、今後商品の販売戦略を練るときに考えてほしいポイントをお伝えします」
菅生氏より、マーケティングでカギとなる要素について、身近な事例をもとに説明して頂きました。

お客さんの購買行動
菅生氏「デジタル時代において、顧客の購買行動は変化しています。これには、以前には存在しなかったSNSでの情報共有やインフルエンサーマーケティングなどが含まれます。」
購買行動は時代と共に変化しており、外部環境の変化に敏感であることの重要性について説明していただきました。
・「10-2:オーセンティックリーダーシップ」
講師:小野寺 忠司(おのでら ただし)氏

優れたリーダーとはどのようなリーダーか?
小野寺氏「多くの偉大なリーダーがいますが、偉大なリーダーをマネしても限界があります。自分らしさを貫くリーダーであるべきです。」
小野寺塾長より、リーダーシップの種類や変遷、オーセンティックリーダーシップについて説明していただきました。

Group session「King of Mr. Failure」
自分の失敗体験について、グループでディスカッションを行いました。自己開示することで仲間との一体感が強まることや、失敗から学び成功に結びつけることの大切さについて学びました。
・「10-3:起業家講演」

株式会社フィラメント 創業者・CEO
講師:角 勝(すみ まさる)氏
1972年生まれ。関西学院大学文学部卒。
新規事業開発支援のスペシャリストとして、上場企業を主要顧客に、前職の大阪市職員時代から培った様々な産業を横断する知見と人脈を武器に、事業アイデア創出から事業化までを一気通貫でサポートしている。オンラインとオフラインを問わず、共創型ワークショップや共創スペースの設計・運用にも実績を有する。経産省の人材育成事業「始動」のメンターも務めるなど、関わった人の「行動の起点をつくる」ことを意識して活動している。CNET JAPANにて「事業開発の達人たち」「コロナ禍で生き残るためのテレコラボ戦略」「ChatGPT、70点の回答を100点に育てあげるプロンプトマネジメント講座」連載中。

NECパーソナルコンピュータ株式会社 商品企画本部本部長
講師:森部 浩至(もりべ ひろし)氏
1974年生まれ、熊本県出身。2001年 日本電気株式会社 商品企画本部 入社
入社後、約20数年、主にNECパソコンの商品戦略・商品企画業務に従事。2011年 NECレノボ・ジャパングループ発足後、約10年間、NECパソコンの商品企画と並行して、NECレノボにおける約20の共創・新規プロジェクトを推進。現在、NECパソコンの商品企画統括及び、コンシューマ向けPCブランド「LAVIE」のプロダクトエバンジェリストとして活動中。
「共創・新規事業を成功に導く、コミュニケーションの極意とイノベーション人材」と称し、コミュニケーション、イノベーション人材の育成について、それぞれの経験・取り組みを、掛け合いながら話していただきました。

共創が上手くいくコミュニケーションとは
森部氏「アイデアの往復ラリーによるポジティブコミュニケーションが重要です。往復ラリーが多いほど、質が高いほど、いい共創商品・サービスにつながります。」
共創商品・サービスを創出する際に重要な考え方やポイントを実際に開発した商品事例をもとに説明していただきました。

クリエイティブになろう
角氏「誰でもクリエイティブになれると思っています。クリエイティブを分解して考えてみましょう」
クリエイティブとはどういうものなのか、どういう要素・フローで生み出されるのかについて教えていただきました。
3. 講義(2023年9月23日)
・「11-1:VFAプログラム:競争優位」
講師:菅生 達仁(すがおい たつひと)氏

見るべきは、競合ではなく顧客ニーズである
菅生氏「起業や新規事業を始める際には、競争市場での優位性を築くことが重要です。優位性を構築するためのいくつかの型をご紹介いたします。」
競合優位を作る4つの型を企業の事例と共に紹介していただき、それぞれの戦い方や成功の鍵について教えて頂きました。

競争優位の賞味期限は短い
菅生氏「新規事業を起こすときのタイミングや、起こした後のビジネスで何が重要なのか、注意するポイントをお伝えします。」
外部環境に対応し続けることの重要性や、競合についての考え方について学びました。
・「11-2, 3:チームワーク⑦中間発表」
各チームが最上地域でのフィールドワークで得た気づきをもとに様々なビジネスプランを発表しました。事業対象地域別に3グループに分け、発表後には講師、コーディネーター、他チームから、フィードバックや、質問を行いました。

グループ1 鮭川村
講師:戸田 達昭(とだ たつあき)氏

グループ2 鮭川村
講師:廣川 克也(ひろかわ かつや)氏

グループ3 金山町、真室川町
講師:菅生 達仁(すがおい たつひと)氏、張 穎超(Eicho Zhang)氏


発表後にはそれぞれのビジネスプランに講師陣よりフィードバックを頂きました。講師、コーディネーターから、「仮説のさらなる深堀」、「数字で示す」、「ストーリーをシンプルに」等、全体を通してコメントをいただきました。
4. 10月の講義スケジュール
10月の講義は、商品企画やプロモーションをする上では欠かせない「顧客インサイト」や、環境アーティストのサイヒロコ氏による「アート思考」について学びます。
10月7日
- 12-1:VFAプログラム:顧客インサイト 講師:菅生 達仁氏(相原 嘉子氏)
- 12-2:アート思考 講師:サイヒロコ氏
- 12-3:チームワーク⑧(ビジネスプラン検証、プロトタイプ、実証実験の準備) 講師:菅生 達仁氏、小野寺 忠司氏、廣川 克也氏、戸田 達昭氏
10月21日
- 13-1, 2, 3:意思決定とコミュニケーション「ケーススタディ:宇宙船α 号」 講師:廣川 克也氏
5.まとめ
本記事では、9月の講義内容をご紹介いたしました。
中間発表では、各チーム沢山のアドバイスを頂きました。このままのプランで進むのか、それとも別のプランを練り直すのか。12月の最終発表ではどのような変化を遂げているのか楽しみですね。