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今の時代に求められる「アート思考」 | 山形大学 i-HOPE | 2023年10月講義レポート

2023年5月、「山形大学人材育成プログラム「i-HOPE 」2023 新事業創出イノベーションプログラム」が始まりました。

本プログラムの目的は
「起業家が歩むプロセスを一通り経験し、イノベーションマインドを身につける」

新事業創出に必要な起業家精神と知識・スキルを学ぶことができる、山形大学とコロンビアビジネススクール公式プログラムVenture for ALLⓇが連携したプログラムです。

昨年開催した様子はこちらをご覧ください。
目指すはスタートアップ企業の創出!山形大学で学ぶアントレプレナーシップ教育 | 山形大学 i-HOPE | 2022年5-10月講義レポート

期間は2023年5月から12月の約8か月間、隔週土曜日開催で講義日は全17回。

10月の講義は
第12回目(10月7日)
「12-1:VFAプログラム:顧客インサイト」
「12-2:アート思考」
「12-3:チームワーク⑧(ビジネスプラン検証、プロトタイプ、実証実験の準備)」

第13回目(10月21日)
「13-1, 2, 3:意思決定とコミュニケーション「ケーススタディ:宇宙船α 号」」

第12回目の講義では、商品企画やプロモーションをする上では欠かせない「顧客インサイト」や、環境アーティストのサイヒロコ氏による「アート思考」について学びました。
第13回目の講義では、ケース教材を使用し、人間の意思決定に影響を及ぼす要因
について理解を深めました

本記事では、i-HOPE 新事業創出イノベーションプログラムの10月の講義内容についての紹介を行います。こちらの記事は主に下記のような人向けの記事です。

  • 「i-HOPE 新事業創出イノベーションプログラム」の講義内容に興味のある人
  • 「アントレプレナーシップ教育」に興味のある人
  •  新規事業に携わる方、現業で新たな発想を求められる方
  • 「スタートアップ」に興味のある人
  • 「起業」に興味のある人

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目次
1. 講義(2023年10月7日)
 ・「12-1:VFAプログラム:顧客インサイト」
 ・「12-2:アート思考」
 ・受講生の声
2. 講義(2023年10月21日)
 ・「13-1, 2, 3:意思決定とコミュニケーション「ケーススタディ:宇宙船α 号」」
3 11月の講義予定
4. まとめ
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1. 講義(2023年10月7日)

・「12-1:VFAプログラム:顧客インサイト

医療法人/常任理事
イメージコンサルタント
コロンビアビジネススクールVFA®客員講師
講師:相原 嘉子(あいはら よしこ)氏

経営企画・マーケティングの実務経験をいかして、2009年医療法人理事に就任。育児と並行して、医療法人を運営する上での実務と理論を学ぶため、英国国立ウェールズ大学経営大学院に入学(MBA取得)。「患者との信頼関係を高めるコミュニケーション方法」について交渉心理学、脳科学を用いて論文執筆。現在は、医療業界に加え、イメージコンサルタントとして各界のVIPへ理想の印象を可視化するために『グローバル社会で活躍できるプロトコルマナーの指導』を行っている。

資格:MBA・イメージコンサルタント・行動心理士・NLPプラクティショナーコーチ他


すべての人に備わっている無意識の心理

相原氏「皆さんが意思決定をする時、何パーセントの無意識が意思決定に関わっていると思いますか?消費者が気が付いていない無意識の心理を利用して商品開発やマーケティング戦略に活用する手法がインサイトマーケティングです」

この講義では、無意識の心理である「インサイト」について学びました。顧客インサイトを意識することで、既存の問題を深掘りし、より根本的な解決につなげる方法を探求します。

インサイトを発見するために

相原氏「「無意識レベル」の回答は「回答者自身」も気が付いていないことがあり、「アンケート調査」では「適切な回答」が得られないことがあります。皆さんも消費者に振り回されないアンケート内容を考えてみてください。」

インサイトマーケティングについての注意事項から活用する上で参考になるフレームワークまで、事例をもとに分かりやすく説明していただきました。

ディスカッションの様子

・「12-2:アート思考」

山形大学 客員教授
(仏)科学芸術創造協会 代表
講師:サイ ヒロコ氏

色、光、映像などを駆使して、人間の五感を開く環境アートを、世界の都市・建築・ランドスケープで展開。
(仏)科学芸術創造協会 代表
国連「平和の文化」シンボル SAI環境四次元ミュージアム
仏世界文化遺産ルドゥ「理想都市」内 文化省指定個人美術館(1995〜2005)
仏国立ポンピドーセンター滞在個展(1985)
EU文化交流センター議長
東京湾アクアライン景観委員モニュメント、壁画制作
成田飛行場 第一ターミナル環境四次元ミュージアム
世界華人経済人協会 日本代表
インドネシア ロイヤルシルク財団 顧問


現代において重要なこと

サイ ヒロコ氏「モノの本質を見ていく。なぜそうなったのか、本質を見つめることが大変重要です。そのためには、自分というものをしっかり持つころで初めて判断ができるのです。」

世界的に活躍されているアーティストであるサイヒロコ氏より、現代におけるアートの重要性をお話していただきました。

アートは形ではない

サイ ヒロコ氏「子供の教育においては、今ある形を押し付けるのではなく、のびのびと行動させることが大切です。誰かが作った音や踊りではなく、自分の持っている音と踊りと向き合うことで、人間の可能性は広がります。」

質疑応答の様子

・受講生の声

〇社会人
サイヒロコ先生が「自分を持つことの重要性」についてお話され、自分を持たないとアートとして表現することが難しいんだと気付かされました。今回の講義を受けたことで、アート作品だけでなく、その表現者たちにも興味を持つようになりました。

3. 講義(2023年10月21日)

・「13-1, 2, 3:意思決定とコミュニケーション「ケーススタディ:宇宙船α 号」」

講師:廣川 克也(ひろかわ かつや)氏


考える力、伝える力、議論する力を鍛え、意思決定する力を養う

廣川氏「本プログラムのゴールは、ビジネスプランの発表ですが、プログラム終了後もそれぞれのお立場で役立つようなマインドセットやスキルセットを学んでいただきたいと思っております。今回の授業は、特に卒業後にも役立つ知識をお伝えさせて頂きます。」

本講義では、ケース教材を用いたチームディスカッションを行いました。

コミュニケーションの基盤が作れているチームが
高いパフォーマンスを発揮する

廣川氏「遠慮のないコミュニケーションは非常に重要です。ビジネスの世界におけるコミュニケーションとは、交渉・説得・意思決定などであり、コミュニケーションがうまくいかないと、相手に伝わらない・意思決定が先延ばしになる・本来とはずれた合意になってしまうことがあります」

今回のケース教材を使用した意思決定のシミュレーシ ョンを通じ、チームでのタスク実行、判断への影響、人間の意思決定に及ぼす要因について学びました。

3. 11月の講義スケジュール

11月の講義は、グローバルにおける大局的な視座や財務に関する知識、最新の投資事情など、最新のノウハウや事例について学びます。

11月4日

  • 14-1:企業のグローバル戦略と求められる人材 講師:川島 健一氏
  • 14-2:VFA プログラム:ファイナンス 講師:菅生 達仁氏
  • 14-3:チームワーク⑨ 講師:菅生 達仁氏

11月18日

  • 14-1:ベンチャーファイナンス 講師:菅谷 常三郎氏
  • 14-2:イノベーションを起こすマインドセット 講師:古宮 浩行氏
  • 14-3:技術革新からの事業創造 講師:廣川 克也氏

4.まとめ

本記事では、10月の講義内容をご紹介いたしました。

12月の最終発表まで講義数も残り僅か。
これまで学んだスキルセットとマインドセットを活用し、最後まで全力で取り組んでいきましょう!