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イノベーションを起こすマインドセット | 山形大学 i-HOPE | 2023年11月講義レポート

2023年5月、「山形大学人材育成プログラム「i-HOPE 」2023 新事業創出イノベーションプログラム」が始まりました。

本プログラムの目的は
「起業家が歩むプロセスを一通り経験し、イノベーションマインドを身につける」

新事業創出に必要な起業家精神と知識・スキルを学ぶことができる、山形大学とコロンビアビジネススクール公式プログラムVenture for ALLⓇが連携したプログラムです。

昨年開催した様子はこちらをご覧ください。
目指すはスタートアップ企業の創出!山形大学で学ぶアントレプレナーシップ教育 | 山形大学 i-HOPE | 2022年5-10月講義レポート

期間は2023年5月から12月の約8か月間、隔週土曜日開催で講義日は全17回。

11月の講義は
第14回目(11月4日)
「14-1:企業のグローバル戦略と求められる人材」
「14-2:VFAプログラム:ファイナンス」
「14-3:チーム・ワーク⑨」

第15回目(11月18日)
「15-1:ベンチャーファイナンス」
「15-2:イノベーションを起こすマインドセット」
「15-3:技術革新からの事業創造」

11月の講義では、グローバルにおける大局的な視座や財務に関する知識、最新の投資事情など、最新のノウハウや事例ついて学びました。

本記事では、i-HOPE 新事業創出イノベーションプログラムの11月の講義内容についての紹介を行います。こちらの記事は主に下記のような人向けの記事です。

  • 「i-HOPE 新事業創出イノベーションプログラム」の講義内容に興味のある人
  • 「アントレプレナーシップ教育」に興味のある人
  •  新規事業に携わる方、現業で新たな発想を求められる方
  • 「スタートアップ」に興味のある人
  • 「起業」に興味のある人

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目次
1. 講義(2023年11月4日)
 ・「14-1:企業のグローバル戦略と求められる人材」
 ・「14-2:VFAプログラム:ファイナンス」
2. 講義(2023年11月18日)
 ・「15-1:ベンチャーファイナンス」
 ・「15-2:イノベーションを起こすマインドセット」
 ・「15-3:技術革新からの事業創造」
3 12月の講義予定
4. まとめ
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1. 講義(2023年11月4日)

・「14-1:企業のグローバル戦略と求められる人材」

山形大学 客員准教授
Lenovo Executive Director
戦略的投資組織 エグゼグティブディレクター
講師:川島 健一(かわしま けんいち)氏

1985年より日本IBMへ入社し、1996年よりIBM PC Company リサーチトライアングルパーク(ノースカロライナ州)勤務。2006年よりLenovo 北京勤務となり、ビジネス開発 Executive Directorに着任。2014年よりLenovo モリスビル勤務となり、戦略的投資組織 Executive Directorに着任。


今の時代のグローバル戦略とは

川島氏「世の中で起こっているニュースを取り上げながら、いくつかのグローバル戦略やM&Aなどの事例を通して、それがいかに自分の身近な仕事や環境に関連しているかについてお話します。」

この講義では、国境を超えた事業を行うにあたり、価値・人・イノベ―ションなど、事業戦略構築の最先端かつ総合的な知識、大局を見抜く視点を学びます。

買収における地政学的障壁

川島氏「投資先の会社の従業員や営業員が”対象国”にあれば、大手企業だとしても買収を断念するケースがあります。」

実際に海外の最前線でご活躍されている方の生の声を聞く機会はそうそうあるものではありません。貴重な機会ということもあり質疑応答の中でも普段聞くことのできない貴重なご意見を頂くことができました。

・「14-2:VFAプログラム:ファイナンス」

講師:菅生 達仁 (すがおい たつひと) 氏


ビジネスを考える上で、唯一ルールが決まっているもの、それが財務会計

菅生氏「ビジネスに正解はありませんが、財務会計には明確なルール・覚えておかなければいけないことがあります。」

本講義では、財務に関する基礎知識、特に損益における利益の捉え方 の違い、損益と現金の違い、価格が持つ意味を重点的に学びます。

資金調達の種類

菅生氏「資金調達には、銀行からの融資だけでなく、エンジェル投資家やクラウドファンディングなど様々な種類あります。それぞれのメリットデメリットを考え、自分の事業に合った方法を選びましょう。」

事業に必要な資金調達について、経営者が抑えておくべき基本知識と、上手な資金調達のノウハウなど網羅的に学びました。

3. 講義(2023年11月18日)

・「15-1:ベンチャーファイナンス」

みやこキャピタル(株)代表取締役
山形大学 客員教授 
元JAFCO Ventures President & CEO
講師:菅谷 常三郎 (すがや つねさぶろう)氏

1999年に日本で最大のベンチャーキャピタル(VC)である(株)ジャフコに入社。2003年から President & CEOとしてJafco America Ventures Inc.の立ち上げに取り組む。2008年に(株)ジャフコ執行役員に就任。2015年に、京都大学公認のVC みやこキャピタル(株)を設立、代表取締役就任。米国シリコンバレーで6つのVCファンド(総額約1,400億円)の設立・運営に携わり、全てのファンドのゼネラル・パートナーを務め、投資先の社外取締役、ビジネスサポート、資本政策、買収提案等を行いファンドパフォーマンスを高めた。


日本で起こっていることは、四半世紀前にアメリカで起こっている

菅谷氏「あくまで、ビジネス領域についてですが、アメリカの事例を学ぶことで、今後日本で何が起こるかの手がかりが分かります。皆さんの将来のビジネスにも役立つと思います。」

事業を拡大する際には大型で複雑な資金調達方法を駆使する場合があります。この講義では、資金調達の技術のほか、シリコンバレー事情を含む最新のベンチャー投資事情、世界の起業家・経営者のあるべき姿勢、投資判断の勘所などについてお話ししていただきました。

イノベーションはベンチャー企業から生まれる

菅谷氏「イノベーションこそ21世紀において成功を収める最大限の原動力です。ベンチャー企業がイノベーションを生み出すことが多く、そのまま突き抜けると今有名な企業のように成長していきます。」

菅谷氏は日本のベンチャーが世界で成功するのを手伝いたい、そんな想いから、みやこキャピタルを立ち上げました。日本から世界へ羽ばたいてみませんか?

・「15-2:イノベーションを起こすマインドセット」

SCSK株式会社 参与
講師:古宮 浩行(こみや ひろゆき)氏

AI やインターネットを核とした情報系や、ERP を中心とした基幹系のビジネスの立ち上げ&責任者を務める。常に最先端の技術を追い、経営に対する提言を実施。現在はエバンジェリストとして、Digital Transformation をビジネスと IT の両面から追求し、企業や自治体の変革&成長を促す活動を行っている。
中小企業診断士としても活動する傍ら、大学講師、様々な自治体のDX委員などを兼務。幅広い人脈を生かして、業界を横断した様々なコミュニティを主催中。


「思考する」ことの重要性

古宮氏「思考とは、過去の知識を未来に繋がる知恵に変えるものです。また、思考は自身の付加価値を上げる武器にもなります。今こそ、時間の使い方を改革し、思考する時間を増やすことをお勧めします。」

本講義では、Digital Transformation をビジネスと IT の両面から追求し、企業や自治体の変革&成長を促す活動を行っている企業の経営幹部より、イノベーションを起こす際に重要なマインドセットについて講義をして頂きました。

これからの会社の在り方

古宮氏「マネジメントや組織の在り方も変革が必要です。例えば、モノからコトへの転換。コトで考えることができると、顕在化できていないニーズに気づくことができます。」

様々な事例をもとに、DX化を進める上で重要なことや、今後の会社の在り方、マインドセットの方法や心構えを教えて頂きました。

「15-3:技術革新からの事業創造」

講師:廣川 克也(ひろかわ・かつや)氏


時代に合わせた事業戦略

廣川氏「今の時代、一つの強みではなく、個別の要素を組み合わせ、トータルとしての強みに繋げていくことが重要です。例えば、ポジショニング、組織能力、事業ストーリーなどの要素があります。」

ビジネスモデル、収益モデルを変えることで企業価値が大きく変わることがあります。また、世界の潮流を正しく把握することで、成長戦略の確からしさが向上します。この講義では、大局的な視座を持つことや市場・消費者行動の分析、仮説設定の方法、事業との整合性判断などを学びます。

意味のイノベーション

廣川氏「作れば売れる時代は終わりました。沢山の物に溢れ、我々の欲求のレベルが上がっている現代においては、「技術のイノベーション」だけでなく、「意味のイノベーション」が重要になってきます。」

「意味のイノベーション」が起こりやすい状況や、考え方について事例を交えて分かりやすく教えて頂きました。

3. 12月の講義スケジュール

12月の講義では、経営者として必要な考え方や知的財産権の活かし方について学び、最終発表ではチーム毎にビジネスプランの発表を行います。

12月2日

  • 16-1:企業経営の基本 講師:小野寺 忠司氏
  • 16-2:事例で学ぶ事業価値を高める知的財産活用術 講師:田中 雅敏氏
  • 16-3:チームワーク⑩ 講師:菅生 達仁氏

12月16日

  • 17-1, 2, 3:ビジネスプラン 最終発表&審査 講師:小野寺 忠司氏、菅生 達仁氏、VFA 審査員、廣川 克也氏、戸田 達昭氏

4.まとめ

本記事では、11月の講義内容をご紹介いたしました。

12月はいよいよ最終発表です。これまで学んだスキルセットやマインドセットを駆使し、最終発表に取り組んでいきましょう。